ベートーヴェン 5大ピアノ・ソナタ演奏会

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《休憩の時に客席外から撮ったもの。調律中です。ピアノの横の、大枝を使った豪華で大胆なフラワーアレンジメント、妻の目をひいただろうなあ》

 第3部最後の「熱情」は、奏者の横山幸雄氏の演奏スタイルととても合っていて、熱情的で圧巻でした。着ておられたシャツも真っ赤

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 今回は演奏会には珍しい2度の休憩をはさむ3部構成。冒頭の奏者の挨拶で、2度目の休憩の後間違って帰宅しないようにと冗談っぽく触れられるほど。

 ベートーヴェンの5大ピアノ・ソナタを、その若い時から順に演奏していくという企画。一曲20分を越えるものもあるというのに、すべて暗譜で、しかもこの奏者の特徴である強弱テンポをよく意識して演奏するというのは大変なのではないでしょうか。奏者が汗拭き拭きの演奏会でした。まさにチラシに書いてあった通り「ピアノ界の鉄人」かもしれません。


 第1部: 8番「悲愴」、14番「月光」

 第2部: 17番「テンペスト」、21番「ワルトシュタイン」

 第3部: 23番「熱情」


 今からウン十年前、当時私は中高生で、ピアノの豊かな音色に魅かれていたことがありました。エアチェックでカセットテープに録音していました。そんな中なけなしのお金で当時買ったのが、バックハウスのベートーベンのピアノソナタのLP。音質の悪い小さなプレーヤーしかありませんでしたが、何度も何度も聴きました。当時大好きだったのが「テンペスト」の第3楽章でしたねぇ。そのLPは同音源のCDにとって代わり、今回の演奏会に先立って久しぶりに聴いてみましたが、今は好みが変わったのか「ワルトシュタイン」の奥深さに魅かれたのを自分のことながら興味深く思いました。
 ですので、今回期待値が高かったのが第2部


 ところが・・・技巧的にはすごいんでしょう。でもあまりにスピードが速すぎて、渦巻くように迫ってくるドラマティックな旋律に聴き入る余裕がありません。しかも素人耳で音がほんのわずかにずれているように聞こえるところも。続くワルトシュタインの第一楽章も濁っているように聞こえます。なんでそんなに急ぐの?時間がおしてる?と勘繰り。せっかくの生演奏のピアノの音が、私の心の琴線に触れることもなく、まったく素通り。曲に入り込むことができませんでした。終了後拍手をする気も起きず、思い入れがあっただけに、期待が落胆に変わったさまは激しかったです。


 ※追記: その後、氏の「テンペスト」第3楽章の公式音源を発見。その演奏時間は4分51秒。一方、前述のバックハウスの演奏時間は6分20秒。後者は古い音源で、生に勝るものではありません。でも、約1分30秒も違う演奏時間。原因はこれ?


 前述のとおり、その後の第3部で随分盛り返しました。これには惜しみない拍手。思い入れが強くない方が幸せかもしれません。


 15時20分終了予定が、大幅に延びて15時35分終了。このあと後ろ髪を引かれながらも、アンコールを聴かず会場を後にしました。アンコールは何だったんでしょう。なぜって予約していた新幹線の時間が迫っていたからです。今回福岡市の福岡シンフォニーホールまでわざわざ聴きに行ったのです。このあと仕事が待っています。




 でも、行ったおかげで嬉しい発見がありました。音楽とまったく関係ないところでの話題というのがちと寂しいですが。
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 シンフォニーホールのあるアクロス福岡の隣のビル地下1階、ランチを食べるためにのぞいたら、なんと「京風串揚げ 本店」が目に留まりました。これは行くっきゃない。

 かつて熊本にも(フランチャイズだったそうですが)同名のお店があり、手頃な価格のランチをよく食べに行っていました。今はなきあの「喝」の本店にたまたま行けて、良かったです。
 このビルの他のテナントは、ビル入口にメニューなどの立て看板などが出ていましたが、ここは入口には店名だけで、店の真ん前まで行かないと何も情報がありません。なんとも職人気質ではないですか。しかもランチはこの一種のみ。実際ご主人も職人肌で必要なこと以外はしゃべらない風の方でした。それでもこちらからあえて話しかけて楽しく会話しましたけど。

 次にシンフォニーホールにコンサートに来る機会があったら、またここだ。

リプサリス・ラムローサ - 真珠つきの赤いリボン

 最近変わった形状の植物に魅かれてます。

 園芸専門店で見つけた赤いサボテン。赤いサボテンってなかなかないと思うのです。普段は緑色なのが、寒暖差で冬に赤くなるそうです。でも最低気温は5℃以上は保たないといけない南米出身の着生サボテン。直射日光も葉焼けを起こすので厳禁のよう。
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 その名は、リプサリス・ラムローサ

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 小さな花芽。


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 これは実。


 真珠付きの赤いリボンのよう。

 税別1,500円でした。



 これとは別に、最近オープンしたばかりのCOCOSAの3Fに、とても魅かれる植物があるんですが、お洒落な鉢付きでべらぼうに高いので、購入をためらっているんですよね。鉢は要りません。今、このサボテンを買ったお店に、植物本体だけ入荷させられないかどうか調べてもらってます。



ただのミカンではありませんよ

 このミカンには驚きました。完成したとき、取り巻いていた観衆からも思わず驚嘆の声が漏れます。
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 別角度から。
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 本物のミカンではなく、生菓子です。見事に中のスジまで表現されています。

 私がお菓子の写真を撮ってもいいかと尋ねると、快く応じてくださいました。するとスマホが至る所から出てくる。
 そして「お菓子は撮ってくれるんだけど、作った人は撮ってくれないんだよね」と冗談っぽくもポツリ。

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 開懐世利六菓匠(川尻六菓匠)のおひとりの実演でした。熟練のすばらしい腕前です。



 そこでふと思いました。

 作られたものより作った者が誉れを受けるべきである。
 私たちの周りにも見事なものがたくさんあります。例えば、真っ赤な夕陽や雄大な山々などの息をのむほどに美しい景色、湖面のカワセミや愛くるしいネコなどの魅力的な動物たち、私たちを引き付けてやまない美しい花など。私たちはそれらに感動して、一生懸命シャッターを押すことがあります。しかし、それがそこに存在している理由、それを我々に与え、我々を生かしている存在のことは忘れてしまいがちです。まさに今日の生菓子のように。

 謙虚になろうと思います。