至上の印象派展 ビュールレ・コレクション

 九州国立博物館(九博)で開かれている「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」を見に行きました。朝8時15分自宅を出発し、途中で妻の実家と合流。カツ丼が人気のお店で腹ごしらえをして九博に向かいました。13時前に到着しましたが、心配していた駐車場の渋滞はなし。でも、会場は人が多く、とても賑わっていました。



 ◆ 1階ホールにて絵になりきります

 飛び出す絵画。
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 変顔。
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 笑顔が素敵な母たち。
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 ◆ 自分のカメラで写真を撮ってもよい絵画が2点ありました。こういう企画はとてもうれしいですね。

 ルノワール 『イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)』(1880年) 8歳の美少女です。
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裕福な銀行家のルイ・カーン・ダンヴェール伯爵の長女、イレーヌを描いた作品。当時8歳であったイレーヌの栗色の豊かな髪やあどけない表情が、背景に描かれた深い緑の茂みによって引き立てられています。ルノワールによる子どもの肖像画の代表作のひとつである本作品は、1881年のサロンに出展され好評を博しました。




 モネ 『睡蓮の池、緑の繁栄』(1920-26年) 日本初公開 高さ2m×幅4.25m
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1883年、ジヴェルニーに移り住んだモネは、自宅の敷地内にエプト川から水を引き、睡蓮の池を作り上げました。植物の様々な色彩を映し出し、時の流れに応じて表情を変える水面は、画家の後半生の創作の中心的モティーフとなったのです。モネの死後、しばらくアトリエに保管されていた本作品をビュールレは高く評価し、3点の「睡蓮」を主題とする作品を購入しました。そのうちの2点をチューリヒ美術館に寄贈し、1952年にチューリヒ美術館でモネの個展が開催された後、本作品を購入しました。









 ◆ 2008年に盗難に遭い、その後無事に回収された絵画4点も来ていました。それをピックアップします。


 ◆ ドガ 『リュドヴィック・ルピック伯爵と娘たち』
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ドガの友人で、印象派展への出品経験をもつ芸術家でもあったリュドヴィック・ルピック伯爵と2人の娘を主題とした肖像画。大胆で自由闊達なすばやい筆致と、透明感ある色遣いによって巧みに表現されています。





 ◆ セザンヌ 『赤いチョッキの少年』
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セザンヌの肖像画のなかでも、もっとも有名な作品です。肘をつき、物思いにふける少年。頭を支える腕の直線や、背中や手前に長く引き伸ばされた腕の曲線が、カーテンやテーブルクロスの斜めの線と絶妙な均衡を保っています。画面周辺の沈んだ色調に囲まれ、少年の顔と赤いチョッキ、右腕を包むシャツの白さが際立っています。




 ◆ ゴッホ 『花咲くマロニエの枝』 (右の絵画)
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サン=レミの療養院を退院した後、ファン・ゴッホは、パリ近郊のオーヴェール=シュル=オワーズで印象派絵画の愛好家でもあったポール・ガシェ医師と多くの時間を過ごしました。かつてガシェ医師が所蔵していた本作品では、厚みを増した筆触を特徴とし、画家がパリ時代に取り入れた新印象主義の手法を独自に発展させたことを示しています。




 ◆ モネ 『ヴェトゥイユ近郊のひなげし畑』 (左の絵画)  うーん、よく見えない。
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 無事に戻ってきたゆえに、本物をここで見られます。ちなみにその被害総額は推定で1億8000万スイスフラン(約175億円)だったそう。





 ◆ 個人的に気になった絵画は、カナール(カナレット) のベネチアの風景画。
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(右の絵の解説) 景観画の巨匠、カナレットによる本作品には、ヴェネツィアのカナル・グランデの東方の眺望が描かれています。前景に描かれたサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂は、当時のヴェネツィア絵画において好まれたモティーフのひとつでした。暖かな陽光と輝く水面、澄んだ大気や建造物の細密な表現など、カナレットの景観画の特徴を示しています。




 セザンヌの最後の未完の作 『庭師ヴァリエ(老庭師)』
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1902年にセザンヌは、南仏レ・ローヴの丘に新しいアトリエを建てました。少し坂を上るとサント=ヴィクトワール山を一望できるこの絶好の場所で最晩年を過ごしたセザンヌ。その身の回りの世話もしていた庭師ヴァリエは、最後のモデルでもありました。未完の本作品は、晩年に特有の瑞々しく軽やかなタッチで覆われています。


 ゴッホの絵は絵の具のぬり方が独特で力強く好みです。ピカソの『花とレモンのある静物』も花瓶が悲しげな顔に見えて惹かれました。


 いつも一人で見に行くことが多いですが、今回は弟が車を運転してくれたおかげで楽に移動でき、両家で一緒に行って楽しむことができました。
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 7月16日(日曜)までです。

 



※ 「九州国立博物館」とロゴの入った写真は、九博から提供していただきました。それ以外は自分で撮りました。また、絵画の説明文は九博のホームページより引用させていただきました。

※ このブログでは、九博から提供されたり自分で撮ったりした画像を紹介していますが、ビュールレ・コレクションのサイト
     https://www.buehrle.ch/en/collection/
では、そのコレクションの全貌を見ることができます。かなりの数が日本に来ているんですね。

これはおもしろい! 熊本アートパレード

 これは何だ?
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 かるろす作【いちごマン アスリート TYPE R】
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 氏は、今年のさが桜マラソン(42.195キロ)にこれを被って出走。なんと3時間39分44秒で完走されてます。
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 以前は辛子蓮根「からっしー」の仮装で走っておられ、それも過去の美術展で展示されてました。
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 軽量化の工夫がなされてます。
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 いつか自分も・・・。


 この作品、どうやって作るのか大いに気になっている私。かるろす氏がきちんと説明なさっています。

【いちごマン アスリート TYPE R】の作り方はこちら





 これが展示されていたのは、第29回 熊本市民美術展 熊本アートパレード。現代美術館にて4/15まで開かれていました。
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 画像掲載はかるろす氏ご本人の許可を得ています。だって、この展覧会、写真撮影はOKだけど、ネットに公開するのはNGというような意味の注意書きがあったからです。





 ちなみに、イチゴは赤とは限らず、今はこんなものもあるようです。真っ白な苺。その名も「白香モン」。
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 3月半ばで、確か一粒650円程度だったと思います。
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 なお、大賞はこの作品でした。

 つん作、【こちら、「あなぐまち、にじいろ団地」です。】
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 各部屋には“住民名簿”が備え付けてあります。
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 例えば、ミツバチの場合は、蜜をためれどもためれども一向にたまらない、どうして?もしかしてあなたが・・・、という内容を、ユーモアをまじえ、かわいらしい絵で紹介してありました。

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 バドミントンのラケットは夫婦でした。シャトルを往復させてコミュニケーションをとっているというふうに。ほのぼの。

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 「あなぐまち憲法」にSNSのアップは可とあるので、画像を出して紹介しています。


 ほかにも面白いものがたくさんありましたが、上記の理由で紹介なし。来年もぜひみなさんも見に行きましょう。


塾長の短い春休み - 「王羲之と日本の書」

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 中三の卒業の関係で、授業がない三日間の二日目。桜咲く九州国立博物館で開催されている「王羲之と日本の書」展に行ってきました。

 書・・・・・正直言いまして親しみが持てないし、よく分からない。当然その技量もない。実際大学時代に教員養成課程で習字の実習がありましたが、その成績の悪さに夏休みだったか補講を受けねばならなかった記憶があります。
 今回は自分の知らない世界を垣間見、自分の見識を広めるために見るつもりでした。なお、平日だというのに、いろいろな年齢層の人がたくさん見に来ていたように思います。




 「王羲之」(おうぎし)とは誰ぞや?
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 この人から日本の書は始まっているようです。

 このような分かりやすい解説板がなかったとしたら、ほんと楽しめなかっただろうと思います。(※画像は九州国立博物館から提供していただきました。) そのおかげで、以前よりはるかに理解が深まり、見終わった後はむしろ興味がわいてきた自分がいるのだと思います。

 双鉤填墨(そうこうてんぼく)。王羲之筆の原本をお手本として写した方法。
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 すみません、この短い観覧時間では、私には王羲之の漢字の良さが理解できませんでした。


 むしろ、私にとっては、次のコーナーのひらがなが心を打ちました。

 №41 升色紙 「いまはゝや」  伝 藤原行成筆。画像では真ん中の書です。
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 方形の紙に、「いまははや こひしなましをあひみむと」と書き、次に余白を大きくあけて「たのめしことそ」と筆を進め、五句目「いのちなりける」を四句目にからませるように文字を重ねて書いてあります。次の解説をご覧ください。
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 奥が深くて、美しいと思いません? 平安時代に日本で作られた「かな文字」は流れるように書けて優雅です。こんな字を書いてみたいものです。

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 ひらがなは縦書きこそ美しいのです。ここでは、縦書きと横書きを試し書きしてみることができました。
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 縦書きはこの私でも流れるように書くことができました。横書きでは続かない。この文字を続けて書くことを何というと思いますか?「連綿」です。ここで出てくるかと目からうろこでした。



 「高野切古今和歌集」の流れるような筆致、ため息の出るような美しさですが、画像はありません。これを含めて何かひらがなのグッズが売店にあったら、きっと買っていたことでしょう。でも、なかった・・・
 対照的にどうも書の漢字の良さが分からない。あっ、でもこの漢字が美しいと思ったのが一つだけありました。それは「平家納経」。真上から見たら字以外の背景の紙部分がきらきら光って文字が見えません。横から見たらその整った字体の美しいこと。
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 さらに時代が進み、伊達政宗の書の解説。
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 「天地」 良寛 筆。真ん中の展示品です。
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 大胆さに魅かれましたね。




 事の結論はこうです。手書きのよさの再発見
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 このブログの字もそうですが、だれが打っても同じ活字体。ごもっとも。


 私にとって親しみの持てなかった「書」についての展覧会、とても興味深く扱われていました。もちろん一字一字丁寧に読んでいく必要はありません。展示の最初にも書いてあったのですが、読むのではなく見るのです。









 4階文化交流展示室では、「災害に学ぶ・備える 熊本地震と文化財レスキュー」が開催されていました。「平成28年4月に熊本地震が発生したとき、熊本を取り巻く人々から聞かれたのは、『まさか熊本でこんなに大きな地震が起きるなんて』という驚きの声でした」。まさにその通りでした。

 また、一階では、「全九州新春書道展」と「九州の現代書壇展」も開かれていました。小中高生の力強い書に感心し、書の作家と言われる方々の大胆でユニークな書の数々を堪能しました。特に「仁篤」という作品には“目”があって、自宅に飾りたいほどでした。

 あんなに書に関心がなかったのに、その変ぼうぶりは面白いですね。

「新・桃山展 - 大航海時代の日本美術」と梅ヶ枝餅

 九州国立博物館で開催されている「新・桃山展 - 大航海時代の日本美術」
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 織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の三人の支配者の時代に分けて展示されていました。鉄砲が伝来してから南蛮文化、桃山文化が発展し、やがて禁教となっていく過程の文化です。



 教科書などで写真でしか見たことのない文化財、フランシスコ・ザビエル像。 ※ロゴの入った写真は「九州国立博物館」から提供をうけています。
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 興味深かったのは海賊「倭寇」の役割の重要性。日明貿易で倭寇と正式な貿易船を区別するために勘合符が用いられたと学習するところです。倭寇って完全な裏の存在だと思っていました。でも彼らの密貿易があったからこそ、日本を変える鉄砲伝来やザビエルの来日もあったんですね。また彼らがいたから多様な文化が発展したんですね。海賊が歴史を切り開いたと言えるのですね。新たな理解でした。



 これは大徳寺・聚光院の、狩野永徳の国宝「花鳥図」。実物を目にするのは昨年に続き2度目。
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 昨年12月、当の聚光院で、博物館から里帰りした襖絵を、実際に部屋に組み込んだ形で鑑賞しました

 今回は、その部屋で見た、向かって左側の面の襖絵のみ、展示会にやってきていました。あの日は雨で薄暗く、絵がよりくすんでいた印象しかなかったのですが、今回ははっきりと見ることができました。左側だけしかなかったのは残念ですが。


 これは権利か何かの関係で画像提供がなかったのですが、教科書などでおなじみの狩野永徳の「唐獅子図屏風」も、本物を間近で見るとその迫力に心動かされました。屏風自体がとてもでかいですし、描かれた唐獅子もでかい。どっしりとした重厚な作品で、個人的には右の獅子の眼光が鋭くて、圧倒されました。



 近くから微細な点を見たり、やや離れて全体を見たり、絵画は楽しめましたねえ。









 エラスムス像。1600年(慶長5)豊後国臼杵の海岸に漂着したオランダ船リーフデ号の船尾像。
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 この船には、のちに徳川家康に重用されたイギリス人航海士ウィリアム・アダムス(三浦按針)も乗船していました。
 三浦按針、確か英語の教科書か何かで若い頃学んだ気がします。あまり思い出せないけど。






 濃厚な時間をたっぷり楽しんだ後、太宰府に来て初めて名物梅ヶ枝餅を買って帰ることにしました。梅ヶ枝餅を売る店はたくさんあれど、できるだけおいしいものを食べたい。

 それで、梅ヶ枝餅の食べ比べをかつてしたことのある兄の個人的情報をもとに、とある店を目指しました。それは表参道ではなく、太宰府天満宮の裏にある茶店。

 何度も九博に来ていながら、初めて足を延ばす天満宮の裏手。境内を通って行けば簡単だったようですが、それを知らず、外に出て人に尋ねて遠回りしてしまいました。ここは裏手にある境内に通じるトンネル。遠回りしたから気づけたトンネルでもあります。
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 目指す茶店お石茶屋。鮮やかかつ風情がありますね。もちろん茶店の中でも食べられます。梅ヶ枝餅と抹茶で540円だったかな。
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 さだまさしの「飛梅」という歌の詞の中に、「裏庭を抜けて お石の茶屋へ寄って 君が一つ 僕が半分 梅ヶ枝餅を食べた」とあるのを知ったのは、このあとのことでした。


 兄の分も含め家族で食べる分を買いました。確かに「おいし」かったです。

鶏(にわとり)の画家

 久しぶりに日中ゆっくりできる日ができたので、自宅から徒歩で県立美術館に「若冲と京の美術」展を見に行くことにしました。

 チケットを持っていないので、前売券をゲットすべくプレイガイドへ。もう展覧会は始まっているのに、前売券(千円が800円に)がまだ買えるのです。



 熊本地震で被害を受けた熊本城の中を通ります。


 一本足の戌亥櫓(いぬいやぐら)。
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 以前より近づいて見られるようになっていました。解説板もあり、復興見学ルートとして整備されてきているようです。


 ちなみに、北十八間櫓もこんなふうに解説付き。
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 崩れ落ちた石垣の石に番号を振って、仮置きしてあります。
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 これがあるべき位置に戻されるのはいつになるでしょう。気の遠くなるような作業です。



 県立美術館本館まで8キロ近く歩きました。



 実は伊藤若冲のこの雄鶏を生で見たかったのです。ちなみに前期と後期で一部の作品が入れ替えられます。この作品はその対象。ですから、「雪中雄鶏図」をここ熊本で見るためには10月22日までに行かねばなりません。
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 絵に詳しくはありませんが、一言で言うなら鶏(にわとり)の画家だと思いました。
 ※ こちらのブログに、その雄鶏の大きな画像があります。http://blog.goo.ne.jp/mo_ri2200/e/0c58e842942a177b43d078c64bddaeb4


 私がどんなに説明したところで実際に見るのに勝るものはありません。雄鶏の首から下の羽毛の柄や濃淡が緻密なこと。子どものころ鶏を飼っていた記憶が甦り、その体温を感じてしまいました。よくもまあ人間業でできるもんだと感心することひとしきり。

 墨絵の「花鳥図押絵貼屏風」にも感動。色が付いていないのに墨の濃淡で表現されてる鶏が秀逸。雄鶏が片足をあげているのは実際の場面を切り取ったかのよう。観察眼の鋭い方だったんでしょう。鶏以外にもカラスっぽい鳥やオシドリの描き方にも唸りました。墨の線でシンプルなのに特徴をよく捉えていると。

 見終わった後、売店で額入りの色紙サイズの雄鶏図を買いたかったほど。徒歩なので諦めましたけど。あとで買いに行くかもしれません(笑)。たぶんどこに飾るのと言われますけど。



 熊本城の工事風景。
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 帰りは城彩苑にだけ寄って真っすぐ帰宅。城彩苑では陣太鼓ソフトクリームを食べて休憩。

 帰りに歩いた距離は6キロ強。今日は適度な日差しがあり、汗びっしょりになりました。




 でも、それで終わりませんでした・・・。何か物足りない。何がって体を動かすのが、です。合計14キロも歩いているのに。帰宅後ジョギングに出かけてしまいました。キロ7分30秒程度のスローペースジョグ。息も上がらず楽。時間があればもっと走ることができたと感じました。

 結局11キロ走って、徒歩とジョグの合計は25キロになりました。20キロ超えたのって久しぶり。