アルソミトラ・マクロカルパ

 面白いものを手に入れました。

 ここ1年くらいものすごく気になっていたものです。

 アルソミトラ・マクロカルパ(Alsomitra macrocarpa)の種子です。羽がある種子で、その羽の薄いこと。後ろの台紙の字が透けて見えるほどです。なお、大きさは端から端まで直線距離で13.5cmありました。
アルソミトラ (1)

 インドネシア原産のウリ科植物で、「植物の中で一番大きい翼果を持ち、遠くまで飛散し、繁殖する。蔓性の植物で巨木にからまって10数m以上の高さで実をつけ、成熟するとフットボールより小さめの実の中に500ヶ位の種子を実らせ、乾燥した時に1枚ずつ飛散し、中には数kmも飛ぶことがある。この形状がグライダーの発想のオリジナルとなり、現在最も進歩したステルス戦闘機は空気抵抗の少ない、この種子からヒントを得たとされております」と台紙の裏書きにあります。



 これを知ったきっかけは、NHK「爆笑問題のニッポンの教養」という番組です。2008年11月18日放送FILE055:「『飛行少年』と呼ばれて」東昭(あずまあきら)さんとの対談の中で登場したものです。それを見て以来ぜひ入手したいと思っていました。

東: 一番飛ぶのはどこかって、10枚をチェックしたの。これ10枚。そうしたらね、本来種が持っている重心位置が一番いい
田中: やっぱり。
太田: 良くできてるなあ。
東: つまりね、これはね、このぐらいの実の中に400枚詰まっていたんですが、それがどれを無作為に選んでチェックしても、一番いい重心位置を自分が知っているんです。これ、すごいことでしょ。ちゃんとね、だからね、自然、突然変異と自然淘汰でね、こういうものが良くなるというけれども。
田中: 真ん中の種もあったんでしょうけどね。
東: 私なんかから言わせると、私はエンジニアだから神様は信じないけれども、全知全能の神がね、ちゃんと何でも流体力学でも何でも知っている人が、これ作ったんじゃないかと思うぐらい見事。素晴らしいんですね、これ。
太田: でもさ、これ植物でしょ。
東: 植物植物。
太田: 植物と動物と昆虫と哺乳類とみんな同じ原理を使っているってすごいですね。
(NHKのHPより)




 羽がかなり薄いので取扱注意です。私はパッケージから出すときに、封をしてあったセロハンテープに誤って羽先をくっつくけてしまい、ほぼ完品に近かったのに少し欠けさせてしまいました。それでもスムースに飛ぶので羽の破れはあまり関係ないみたいです。ただ室内ではブーメランのように自分のところに戻ってくるんだけど。完品だったら遠くまで飛ぶのかなと思います。なお、種子には上下面があるようです。見た目ではよく分からないんですが、いつも同じ面を上にして滑空します。


アルソミトラ (3)
アルソミトラ (4)

 これは面白い! 本当によくできている!!!!! 自然のものなのにグライダーのようによく飛びます。
 部屋の中で飛ばしてもきれいに滑空するんですが、2階から飛ばしてみた時にその本領を発揮しました。そよ風に舞い上がって、滞空時間がものすごく長くなります。やはり自然の中でうまく飛ぶようにできている感じです。種子から手を離した瞬間そのまま下に落ちる感じなのですが、すぐ機首を上げ始め、一度上下動があった後はほぼ水平に飛びます。その時ちょうど風が吹けば舞い上がって遠くまで飛んでいきそうです。一瞬隣家まで飛んでいくのではないかと心配したほどでした(羽が少し千切れていたのが幸いしたかも)。

 真偽は不明ですがこのような話があります。アルソミトラの種子は最初、インドネシア沖を航行する船の上で発見されました。種子がジャングルから船の上まで飛んできたようです。植物体自体の発見は、種子発見後にジャングルに踏み込んでからだったとか。

 こんな興味深いものなのならばぜひ種子から植物体を育ててみたいと思うものですが、とても残念なことに発芽しないようになっています。

 気になる価格ですが、1枚525円でした。仕方のないことですが中には羽がもともと少し破れているものもあるようです。特に中心部付近で下部から種子本体に向かって破れやすい感じです。羽の端が破れても飛ばなくなることはなかったので、たぶん中央付近でも滑空にはあまり影響がないと思われます。透明テープで補修したくなる気も起きましたが、むしろそのほうが滑空に影響があるかも。