冬のグリーンピア南阿蘇へ

 本来は1月24日から宿泊予定だった「ホテルグリーンピア南阿蘇」。でもその日はあの寒波と大雪の日。ノーマルタイヤでは、物理的にホテルまで行くことができませんでした。しかし、せっかく楽しみにしていた非日常。1週間延ばして宿泊してきました。今回は母親孝行と母親が特にお世話になっている親戚孝行が目的です。もちろん自分たちもとても楽しみにしていました。腹一杯美味しい食事を食べられること、温泉でゆったりできること、それに部屋からの眺めが最高なこと。雲海も見られるかもしれないと淡い期待。

 今回のプランはDMによるこの時期限定のものです。再開業10周年記念プラン(平日および日曜日限定)と銘打って、料理のメインは自家牧場産・特選黒毛和牛の溶岩焼。いろんな楽しみ込みでわずか8000円。


 今回はベッドが3台もある部屋に通されました。ここに二人で泊まります。
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 部屋の大窓からは阿蘇の雄大な景色を眺められます。
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 ソファに寝転んで、刻々と変化してゆく景色を眺めながら、静かに時が過ぎてゆくのを楽しむのも一興。過去にそうしたこともあります。
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 でも、今回は部屋を早速飛び出して家族は温泉に、私は短パンに着替えてランニングに出かけました。

 高地にあるホテルと、カルデラの底の縁にある村役場久木野庁舎間を往復するコースを頭に描いてラン。前方の中岳からは噴煙が見えます。でも安心してください。阿蘇は泊まっても大丈夫な所です。
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 美しい並木、私が好きな場所です。野外劇場アスペクタの入り口にあります。
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 片道4キロ。往路はずっと下り坂ですが、復路は当然ながらずっと上り坂です。高低差はGPSウォッチによると200m強あったようです。8キロを無理をしない程度に1時間弱で走りました。
 しかし、下りも上りも走りっぱなしだったので、翌日けっこう足に来ていたことがわかりました。久しぶりの強めの筋肉痛。アミノバイタルを飲めなかったので、なおさら強かったのかもしれません。


 運動した後は、お待ちかねの夕食。今回のメニューはこれです。格安プランでこれほど豪華。今回は宿泊客で一杯で、ほとんどのテーブルが埋まるほどでした。中には伊勢エビを食べてる人たちも散見されました。
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 これが最初にテーブルに載せられている料理。このあと次々に料理が運ばれてきます。
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 牧場を持っている会社が経営しているので、肉が絶品。特に高齢の母が美味しいと絶賛していた黒毛和牛。

 バイキングコーナーも自由に利用できます。料理のほかにハム・ヨーグルト・ソフトクリームなど自家製のものも食べ放題。もうみんなお腹一杯。

 温泉も楽しんで、親孝行・親戚孝行ができました。

 これが8000円とはかなりお得なプランでした。



ホテルグリーンピア南阿蘇
〒869-1412 熊本県阿蘇郡南阿蘇村久石4411-9
http://www.hgp-minamiaso.com/

人の手の優れた点

 ペッパー(PEPPER)くん。初めて実物を見ました。
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 よくできています。ここまで技術が進んでいるとは。ホテルグリーンピア南阿蘇の玄関で訪れた人の相手をしてくれています。

 ヒト型で、しゃべるので、感情でもあるかのように錯覚してしまいそうです。首を回して人の顔を目で追いますね。

 細かな部品が集まったペッパーくんの手に私は興味津々。指紋まであります。
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 人間の手は本当によくできていると実感させられました。

◎ 人間の手は驚くべき精密さを備えており、針に糸を通したり、ピアノを弾いたり、様々な細かな作業をすることができます。

◎ 人の両手の骨の数は50以上あり、これは体全体の骨の約4分の1に相当します。手は、骨や関節や靱帯など各部の絶妙な組み合わせによって、非常に柔軟に動きます。

◎ 手の親指は他の指と向かい合う構造で、鞍関節により驚くほど柔軟に動き、強さも発揮します。

◎ 手の動きをコントロールする主な筋肉は前腕にあり、けんによって指を動かします。これがもし手のひらにあったなら、手は筋肉によって分厚くなり動かしにくくなるでしょう。

◎ 人の指先には1平方㌢あたり2500もの感覚受容器があります。それらの受容器には種類があり、素材の感触、温度、湿り具合、震動、圧力、痛みなどを感知できます。水の入った紙コップをこぼさずに、つぶさずに持ち上げることもできます。

◎ 手は気持ちを伝える手段ともなります。握手や撫でることなどにより温かさや愛情を表現できます。



ステンドグラス雑貨

 ホテルグリーンピア南阿蘇に登る道の左側に、お洒落な新築のお店がありました。どうも雑貨のお店っぽい。店の前を車で通っただけで妻が即座に反応。私も往復のランニングの途上で店の前を通りました。手作りのステンドグラスの雑貨屋さんでした。

 これがなかなか秀逸。気に入ってしまいました。その美しい作品をご覧あれ。
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 手間のかかった素晴らしい作品が並んでいるのに、価格も手頃。次に作る作品の材料代が出ればよいと謙虚におっしゃっていました。製作者の方は、福岡から南阿蘇を気に入って移住してこられたようで、この自宅兼工房で一点一点丁寧に作品作りに励んでおられます。

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 早速我が家でも購入した作品を飾って楽しんでいます。


Lapsi (ラプシ)
熊本県 阿蘇郡南阿蘇村河陰59−5
https://www.facebook.com/ステンドグラス雑貨-Lapsi-1205820499431088/

活ヒオウギガイ

 熊本の天草では、ヒオウギガイ(緋扇貝)の養殖がなされています。その貝殻がまるで人工的に色を付けたかのように、いろんな色があるのです。私も贈答品としてお世話になった方に送ることもあります。下の画像は、その贈った方から、こんなのが届きましたよと、いただいたもの。
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 本当にカラフルです。この色はすべて天然ものだから驚きです。



 人には贈るのに、自分自身は何年も前に食べたっきりすっかりご無沙汰しています。ホタテに負けず劣らず美味しんですよ、これが。

 海に近い熊本県宇土市の「宇土マリーナ」の鮮魚コーナーには、この季節にたいてい置いてあるのを見かけます。今回は無性に食べたくなり、私が調理するということで、購入の許可が出ました。

 いろんな色の中から選んだのはこの3枚。活きのよさそうな大きめのものを、たった3枚・・・。
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 値段が画像から想像できるでしょう? 1枚200円です。それが3枚買うと500円。

 この緋扇貝は、陸にあげられて、水をピュッと吹き出し、貝殻をパカパカ何度も開け閉めする元気の良さ。貝が入ったかごの上に透明板が被せてあったのは、貝が水を噴き出すためでした。
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 海に近いのでいろいろな魚介が置いてあります。この辺りでよく捕れる紋甲イカも美味そう。画像は小さなカサゴですが1匹100円でした。こちらではガラカブと呼び、ランクの高い美味な魚です。
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 自宅に帰って早速調理。バターチーズ味と醤油味でいただきました。 あれ?なぜか4枚あるじゃん。
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 バターチーズ味は我ながら絶品でした。その活きのよい生命をいただいて、十日後のマラソンがんばりたいと思います。

癒しの温泉

 今週末は「北九州マラソン」参戦です。週間天気予報では、A確率で「曇り時々晴れ」。雨に降られる恐れもあまりなく、最高気温は9℃だそうで、走りやすいでしょう。
 今年の練習量は昨年の半分以下かも。練習せねば、練習せねば、というガツガツした感じがまったくありません。昨年の凄まじい経験から、完走はできるだろうと変な自信はついているようです(4時間台でフィニッシュするという目標は設定してます)。おかげで体重が少し増加気味。
 それでも最終ランは先週の金曜日で、15キロ走りました。そして今週は走る予定はまったくなし。疲れを抜きに、阿蘇の温泉に行ってきました。


 今日の阿蘇は時折小雪の舞う寒さでした。お昼頃でも気温2℃。氷が解けません(某所にて)。
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 タウン情報誌の特集で、2月中、提携の温泉100円クーポンというのがあって、周りの友人も結構買っている人が多く、うちも家族の人数分だけ雑誌を購入し、阿蘇グランヴィリオホテルの温泉(米塚温泉)に行ってきました。ここの温泉、通常は入浴だけで800円もするのが、この時期100円で入ることができるのです。他の温泉クーポンは使わないことがあっても、ここの温泉だけは外せません。今の時期の100円という値段もさることながら、その泉質と雰囲気がとてもよろしい。源泉掛け流しの「赤湯」で、若干硫黄臭がするので、本物の温泉を楽しんだという気分になれます。

 温泉で疲れを癒し、週末の北九州に臨みます。

北九州マラソン2016 完走記(前編)

 2016年2月21日、北九州マラソンに初出場しました。前日からの現地入りと受付。この日は風雨の強いあいにくの天気。この日にマラソンにならなくて良かったと思いました。
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 雨風のためか会場は暗かったし、その後の予定もあったので、受付後はEXPO会場からは早々に退散。唯一ソフトクリームを自動で作る機械に興味津々。

 今回は古くからの友人に頼んで、そのお宅に泊めていただきました。久しぶりに再会したのに、その日は酒を酌み交わすこともなく、早めの就寝。そういえば夜中2時台に突風を伴った大雨が降り、その音で目が覚めました。スタート大丈夫か。


【大会当日の朝】

 朝5時に起床。たっぷりと炭水化物を摂って、友人宅でこの日の衣装に着替えてすでに臨戦態勢。といっても仮装はしません。いたって普通の姿。コンデジを持って走るかどうかぎりぎりまで迷いましたが、装備が重くなるし、今回はサブ5(5時間切り)が当面の目標だったので、走りに集中するために持っていくのをやめました。よって走行中の写真はまったく無し。

 備忘録代わりに今回携帯したサプリメント類を載せておきます。痛み止めのロキソニンSは薬剤師のいる薬局で購入。この薬と炎熱サプリは必要だと思われる分だけ携帯(でも結局どちらも使わなかったんですよね)。走る30分前にVESPAを飲んで、あとは10キロごとや終盤に投入予定。
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 友人はスタート会場すぐそばまで車で送ってくれました。スタート1時間前の8時に到着。当然ながら人でごった返していました。荷物をさっさと預け、靴紐を入念に結び直し、8時30分頃にはスタートブロックに入っていました。氷川町梨マラソンで初めておしゃべりした「からっしー」を見つけ、再びご挨拶。昨年の熊本城マラソンでは、スタート地点で没収された「からっしー」でしたが、今回は無事にスタートを切れるか、気にしておられました。(その後無事にスタートを切れました)

 私たちがいたブロックはGブロック。その先頭に、4時間半のペースセッターがおり、うしろに5時間のペースセッターがいました。

 この大会ではポンチョが皆に配布されています。それを着ていますが、時折強い風が吹くと寒い寒い。ブロックも閉鎖され、いよいよ開会式が始まりました。上空にはヘリが飛んでいます。挨拶に立つ人たちの話はみな簡潔明瞭で、元気のよいものでした。その中で印象的だったのは、「北九州マラソンは3年続いたので、百年続くでしょう。私も今日は走ります」との挨拶。拍手がひと際大きかったように思います。



【いよいよスタート】

 9時が近づきます。ポンチョを脱いでその時を待ちます。そしてついに号砲。熊本城マラソンでは4分後くらいにはスタートラインをまたげましたが、北九州マラソンはどうでしょうか。・・・時計を見ると4分過ぎましたが、まだ走り出すには至りません。・・・少しずつ動き、5分30秒後にやっとスタートラインを越えました。グロスタイム(号砲~フィニッシュ)で、5時間切りたかったのに、いきなり5分以上のハンディー。

 やや後ろにいたからっしーが、私を追い越してどんどん前に進みます。からっしー速い、確か梨マラソンのときもそう思いました。周りのランナーが、あの辛子蓮根は意外と速いぞと言っているのが聞こえます。最初はからっしーと同じくらいを走っていました。

 実はこのマラソン、今日は最初からあまり気分が乗っていませんでした。ナーバスになっていたのでしょうか。でも、もともと練習時からその傾向は見られました。練習量は昨年の半分以下。だから大きな故障もなかったのですが、体重が昨年より3キロほど増えており、お腹周りがやや重たい感じでした。そのあたりの自制もできていませんでしたね。

 スタート時点では、4時間30分のペースセッターに付いていくつもりが、そのペースではこのマラソンは完走できないと、早い段階で悟りました。サブ5なんて余裕でできると思っていたんですが。

 最初の5キロは緩やかな登り。キロ6分30秒前後のペースで走っていました。別に苦しい速さではないのですが、ほんとに景色や雰囲気を楽しむ気持ちが湧きません。ひたすらフィニッシュに向かって走るだけという感じ。沿道で一生懸命応援してくださる方々の中に知った顔は一人もいませんし、差し出された手にハイタッチする気も起きません。東田地区の走路の真ん中で、大会ゲストの有森裕子さんがランナーを激励しておられ、ハイタッチすることも可能でしたが、それもしませんでした。東田第一高炉跡やスペースワールドのジェットコースターもチラッと見る程度。今日は空が青いなあ。



【積極的な見方と消極的な見方】

 いつも走っている10キロが今日は遠い遠い。20キロまでも1キロ1キロが遠い。でも、これではいけないと思い、最近聞いたばかりの話に励まされて、思考を変えようしました。

 大好物を半分食べてしまいました。あなたは残り半分を見て、どう考えますか。もう半分しかないと消極的に考えますか。それとも、まだ半分あると積極的に考えますか。同じものを見ても、消極的な見方と積極的な考え方があります云々。


 まだ15キロしか来ていないのか(消極的)、もう15キロ走ってきたのか(積極的)。残り27キロもあるのか(消極的)、あと27キロ。1キロ1キロフィニッシュに近づける(積極的)。

 体は重くてイマイチ、でも頭だけでも無理やり積極的に考えるよう仕向けました。


【ついに28キロあたりで・・・】

 この大会では、トイレの場所を示す表示や次のトイレまでの距離の表示もあり、非常に分かりやすく思いました。私自身のことを言えば、トイレは10キロ走っていないうちから、少し行きたい気はしていました。しかし、いずこも列をなしています。だから余分な時間をとられないために何度も素通り。

 約18キロ地点あたりに短い折り返しがあります。その時に見たくないものが・・・。それは5時間のペースセッター。自分より後ろにいますが、その間隔はそんなに広くはないぞと認識しました。少しペースをあげなきゃと思い始めます。そうは思ったものの、中間点を過ぎたのが2時間26分頃。今まで経験したマラソンよりは速いけれど、数分程度しか違わないタイム。

 18キロから27キロあたりは、キロ6分半から7分の間で走っていました。小倉駅を過ぎてからの海岸沿いの直線は、時折強い風は吹くものの、自分にとっては大した障害には感じられませんでした。念のために携帯したままだったポンチョも要りませんでした。
 走路からは海が見えます。大きな貨物船と競走しますが、あちらがはるかに速い。でもそんな印象だけしか残っておらず、景色を楽しむ余裕もありません。門司赤煉瓦もなんにも覚えていない。

 そろそろ本格的にトイレに行きたくなりました。フィニッシュまで持ちこたえられないと感じ、ついに28キロあたりで、人の並びがほとんどないトイレを発見。飛び込みました。

 安堵したのもつかの間、すぐに走路に戻らなければなりません。このためのロスは3分ほどか。急いで走路に戻ると、なんとちょうど目の前を5時間のペースセッターが通り過ぎました

 あせる自分



北九州マラソン2016 完走記(後編)はこちら。

北九州マラソン2016 完走記(後編)

 たった今、目の前を通り過ぎた5時間のペースセッター。5時間切りは今年もダメかと思いかけましたが、何とか食らいついていくしかありません。


【門司港レトロで折り返す】

 5時間のペースセッターは男女お一人ずついらっしゃいました。開会式の時にお名前のコールがあったのですが、当然ながら全然覚えていません。しかし、この方たちのおかげで、非常に元気づけられました。ペースセッターの近くにはランナーのかたまりができていました。ほとんどがサブ5(5時間切り)を目指しているランナーだと思います。折り返し地点の門司港レトロまでの2キロは、疲れている身には結構ペースが速く感じました。これであと十数キロ付いていけるだろうかと感じました。それでもキロ7分弱、体力がまだある序盤ならなんてことはないペースなんですが。

 門司港レトロの折り返しコースでスピードが落ち、なんとか楽に付いていくことができるようになりました。ここは走路が狭い上に直角コーナーが多く、しかも歩いているランナーがいたり、ゆっくりと走っているランナーがいたりして、スピードが必然的に落ちるのです。これがあるのを知っていたからペースセッターは少し急いでいたのかもしれません。追い越しざまに他のランナーと体がぶつかりそうになります。フィニッシュまで10キロほどなのに、どうしてこんなにランナーがいるかと思うくらい密集していました。沿道には応援の人垣ができており、励ましの言葉が山のように掛けられます。ありがたいことです。でも、この日の私にはあまり聞こえていません。むしろ前から落ちてくるランナーを避けるのに、少しイライラしていたかも。

 門司港レトロを抜けると、あとはフィニッシュまでほぼ一直線。5時間のペースセッターの男性は、これまでもそうでしたが、この時も声を張り上げて、私たちはできるだけ多くの方が5時間切れるようにしたいと思いますので、ちょっとペースを落とします。残10キロ切りました。先に行ける人はどんどん行ってください」と叫びます。


 私も、できるだけ余裕を持ってサブ5を達成したいので、集団から抜け出します。




【35キロ地点のうれしい再会】

 35キロあたりで、思いがけない出会いがありました。私の名を呼ぶ女性の声が聞こえます。それは妻でした。20キロ地点付近で会う予定でしたが、お互い見つけられず、会えないままいつの間にか通過してしまいました。

 今は便利な世の中ですね。ナンバーカードの番号で、どのあたりを走っているのかネットで調べられるのです。スマホを持っていないので、宿泊先の友人が、私の位置を調べて頻繁に妻に情報を送ってくれていたようでした。妻は、電車に乗ってわざわざ35キロ付近の小森江駅まで移動して、待ち構えて応援してくれたのです。

 妻は何度も私の名を呼んだようですが、私には全然聞こえなかったようです。妻も走る。妻の呼びかけに振り返るのは他のランナーばかりだったよう。妻は、私のために記念写真を撮りたかったようですが、私が立ち止まらない様子から、今は記録のことしか頭にないのを察知して、先に行かせてくれました。最も力づけられましたありがとう




【ペースセッターたちの気遣い】

 自分は一生懸命走っているつもりなのですが、筋肉は限界に近づいている感じ。やがて5時間のペースセッター集団に取り込まれてしまいました。36~40キロのペースはキロ7分台前半まで低下。このペースで残りを走り通せるだろうか、と何度不安になったことか。ただ足が攣らないことを祈るのみ。

 28キロ付近からほぼ一緒に走った、5時間ペースセッターたちの気遣いと激励には、いたく感心しました。周囲のランナーに動機づけを与え、一体化させ、励ますのです。沿道で観客の前を通り過ぎるとき、今度は集団で来てるね、と話している声が聞こえたので、たぶんこのペースセッターの周囲にランナーが集まり、団子状態になっていたのでしょう。途中歩いたらどんなに楽だろうと思わなくもなかったのですが、そうしたらサブ5は叶わなくなるかもしれません。力を緩める誘惑を払いのけながら、ひたすらフィニッシュを目指して足を動かし続けます。沿道からの声援も、あと○キロだからガンバレ!のコール。

 「ここまで頑張ったのですから、サブ5をここにいるみんなで達成しましょう。このままのペースで行くと、4時間57分でフィニッシュできます。先に行ける人は行ってください。あと○キロです。頑張りましょう!」という叫びにも近い声に、周囲も「オー!」と応えます。女性のペースセッターの方は、給水所で余分に紙コップを取り、「どなたか取り損ねた方はいらっしゃいませんか?」と尋ねる気遣いも。すごすぎます、この方たちは。


 フィニッシュが近づくにつれ、その励ましの大声はますます大きくなり、その頻度も多くなっていきました。「このまま走ると4時間58分台でフィニッシュできます。先に行ける人は行ってください。あとひと踏ん張り、頑張りましょう!」。周囲のかたまりになったランナーも、こぶしを突き上げ、以前よりも大きな声で「オー!」と応えます。フィニッシュが近づくにつれて、さらに熱気と一体感を増します。前方を歩いていて、私たちの集団に追いつかれたランナーたちも一様に走り出します。面白かった。



【ついにフィニッシュ】

 GPSウォッチのデータによると、残り3キロとなった39キロあたりから、ペースが徐々に上がっていきました。キロ6分台を回復。とにかく5時間内ではやくフィニッシュしたい一心でした。残り1キロになって、さらに持てる力を振り絞ります。ラストスパートになったのかどうか、その時は自分ではよく分かりませんでした。しかし、いつのまにか5時間のペースセッターの姿と声は後ろに消えていました

 そしてついにフィニッシュに駆け込みました。ゲートを通過した時にはキロ5分50秒にまでペースが上がっていたようです。駆け込む直前にゲートに表示されていた時計を見て、あっ、56分台は惜しくも逃したと思ったのを覚えています。

 フィニッシュして最初に思ったことは、もうこれで走らなくていいんだ、ということ。それが素直な感情でした。

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 手荷物受取まで行く長い通路で、なぜか自然に涙がこぼれました。こんな感情は初めてです。かつて賢人がこのように言いました。「わたしはフィニッシュまでレースを走り通しました。今からのち、冠がわたしのためにとっておかれています」。まさにその気持ちをいくらか分かったのかもと思います。

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 正式な記録証は後日送られてくるようですが、グロスタイム(号砲~フィニッシュ)で4時間57分台、ネットタイム(スタート~フィニッシュ)だと4時間51分台だと思われます。サブ5は簡単にできると思っていたのですが、今の私の体力ではギリギリでした。まず体重を落とさなければいけないと痛感しました。それでも二つのタイムでサブ5達成でき、喜んでいます。


 今回初めてペースセッターの周辺で走りましたが、なかなか良かったと思います。その役割に感謝いたします。あの一定のペースを刻む走りがなかったら、最後は走りを緩めていたかもしれません。フィニッシュ後、今回の5時間のペースセッターの方々に、改めてお礼を言いたかったのですが、自分のことで精いっぱいで、ついに再会はかないませんでした。この場で御礼申し上げます


 マラソン直後、(マラソンからの)「引退」という言葉が私の口から出ていたようです。でも、今はまだ先に延びそうです(笑)。





北九州マラソン2016 完走記(前編)はこちら。

この年は、「さが桜マラソン2016」にも出場しました。完走記はこちら


※ 本文中のペースセッターの言葉など、だいたいそんな意味のことを言っていた程度にお考えください。記述内容は時間的には多少前後しているところもあるかもしれません。なにせ私は一生懸命走っていたのですから。