永遠に生きたいという執念

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 招待券をいただいたので、九州国立博物館で開催されている「始皇帝と大兵馬俑(へいばよう)」展に行ってきました。歴史の教科書でも有名な秦の始皇帝。彼が作らせた兵馬俑の実物を一度見てみたいと思っていました。

 ※ 俑(よう)とは? 中国において、死者とともに埋葬した人形のこと。

 兵馬俑は様々な階級のものがあり、その顔も一体一体異なっています。以下の各兵馬俑は、現代の誰かに似ている気がしません?(画像は九州国立博物館より提供していただきました)


 御者俑。
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 軍吏俑。
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 歩兵俑。
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 将軍俑。
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 立射俑。
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 跪射俑。
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 騎兵俑。
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 これらはもともとは彩色されていたものでした。

 こんな感じで一堂に見渡せる展示でした。
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 個人的に一番気品のある顔をしていたと思うのは、やはり将軍俑。何千とある兵馬俑の中でも10体ほどしか見つかっていないというものです。身分が高いゆえに丁寧に作られているのでしょうか。
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 これらの展示物を見ると、人間にもともとある基本的な願い、永遠に生きたいという願いを感じずにはいられませんでした。せめて肉体が死ぬのなら、形を変えてでも生きて、生前の生活そのものを来世に持って行こうという、すさまじい人間の執念。

 富や権力を持っていたために、莫大な費用と労力と時間をかけて、精巧に写し取ってあります。しかし、永遠の命を望んだ本人は死んでしまい、その作ったものだけが現代まで残っているのは皮肉のように思えます。とはいえ、我々が今日それらを見ることができるのは、歴史的に意義のあることでしょうが。



その他興味深かったもの。

 全国統一に必要だったことの一つ、度量衡の統一。これは重さを統一した「両詔権」。表面に「始皇帝」の文字が刻まれています。ほかに体積を統一した「両詔量」も展示されていました。
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 秦のインフラ整備のすごさをあらわすものと思ったのがこれ、取水口とL字形水道管など。
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 このほかに、土の圧力を逃がすための五角形水道管も使われていました。また、当時は瓦がぜいたく品だったようで、宮殿にはふんだんに使用されていました。




 秦の始皇帝が中国をなぜ統一できたか、についてのNHKの番組を事前に見ていたので、さらに興味深く展示物を見ることができました。




 博物館の1階では、こんなトリックアートもありました。
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来年2017年の熊本城マラソンは開催されるのだろうか?

 熊本城マラソン名物の最後の坂、ランナーを苦しめる坂です。現在通行止めです。(画像は5月20日撮影)
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 備前掘にも崩壊した石垣が。
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 馬具櫓の下の石垣も。
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 正面から。
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 東側側面から。
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 坪井川沿いの長塀も。
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 熊本城の北東・五間櫓も石垣と共に倒壊。
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 在りし日の姿。ここの石垣、中に入場せずとも外から見られ、しかも形が美しくて好きでした。
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 至る所に熊本地震の爪痕が。
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 天守閣も。
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 伝統工芸館の駐車場からは天守閣がよく見えます。
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 客人があると、①熊本城、②阿蘇に必ず案内していましたが、今はどちらも案内できる状態ではありません。私たちにとって、客人を連れて行く場所がなくなってしまいました。現在の熊本城の惨状は残念でたまりません。

 最近、NHK歴史秘話ヒストリア「熊本城400年の愛」という番組が放送されました。これまでも何度か危機に見舞われた熊本城。今回の熊本地震も乗り越えて、復活するのではないかと希望を持たせ勇気づけられる内容でした。ぜひ復活してほしいと思います。

 とはいえ、今はまだこんな状況・・・フィニッシュ会場がお城である熊本城マラソンの開催は無理でしょうか? でも、こんな時こそ力づけるために開催してほしい気がします。

 例年同じ時期に開かれる北九州マラソンでは、熊本地震の被災地を支援する「熊本枠」創設を求める声も出ており、「熊本城マラソン」の動向も踏まえ判断することにしたそうです。それはそれでうれしい気がしますが、やはりこの熊本で走りたいものです。




 今年も「第11回氷川町梨マラソン」のエントリーが始まりました。もちろんエントリー済み。



※ お城手前の急坂、通行止めが解除になります。そして8/4の情報によると、熊本城マラソン開催決定になりました。うれしい限りです。
 

引越ボランティア

 熊本地震から2か月が経ちました。

 先日私たち夫婦の友人がひとり、熊本から他県へ引っ越していきました。彼女とはもうかれこれ30年の交友があり、その間彼女は生活が一変するような辛い経験もし、今回熊本地震に遭遇しました。

 彼女が住んでいたアパートは一部損壊判定。外の柱には角材による応急処置の補強がなされ、それがかえって痛々しくて、辛い地震を毎日思い出させました。また、彼女が住んでいたある部屋の床は、丸いものが転がっていくほど傾いており、度重なる余震で、彼女自身は地震酔いの症状を常時訴え、身体的にも精神的にもかなり追い詰められていました。


 彼女は地震の影響のない場所への引っ越しを望んでいました。しかし、独り身で金銭的にも全く余裕がない身。


 しかし、それを聞きつけた仲間が彼女を支援することになり、トントン拍子で引越の話がまとまりました

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 引越先は隣県の某市。そちらで引越ボランティアを募り、15名の有志が手を挙げました。下は20代前半から、上は60代の主婦と思しき女性までの男女。彼らは地元でトラックをレンタルし、さらに軽トラックや自らの車を出して分乗。早朝に出発して、熊本にやって来てくれました。なおレンタカー代やガソリン代は、支援に行きたくても行けない方々からの義捐金


 今回私は熊本側の調整者のような立場。引越は荷物をただ運ぶだけではありません。荷物を梱包したり、各種届け出を出したり、不用品を処分したり、それらすべての作業に多くの有志が関わりました。地震で力を失った彼女のために、引越前にも多くの仲間が自発的に動いたのです。


 当初先方は、熊本側に「みなさんも被災者です。引越作業はこちらですべてできるような体制で向かいます」と言ってくださっていました。とはいえ引越当日、熊本側からも有志17名がぞくぞくと集結。そんな手弁当の大勢のボランティアの働きで、熊本での彼女の引越作業は午前中のうちに終了。彼女は笑顔で某市へと越していきました。


 引越先でも、ボランティアたちが搬入作業をしてくれたと聞いています。そして今後も彼女は助けを受ける必要があるでしょう。実際彼女が生活するアパートは、家主が1年間家賃無料で提供してくれたもの。今時こんな人がいるのです。しかもすぐ近くには、手話のできる人も住んでいます。そう、彼女はろう者。今回ひとりのろう者のために、手話のできるできないに関わらず、多くの人が動いてくれました。


 彼女は被災して苦しんだとはいえ、大いに恵まれていたと言えるかもしれません。世の中には、地震の影響で苦しんでいる人が多くいます。引っ越したくてもいろいろな理由でそうできない人々もいます。熊本地震から2ヶ月が経ち、外面の被害がそんなに大きくなかった場所では、多くの人は普通の生活に戻りつつあるように見えます。しかし実はものすごく心は疲れており傷ついています。
 例えて言うなら、前震と本震は2度大きな交通事故に遭ったようなものです。本来大きな交通事故に遭ったなら、安静にしなければならないはずですが、外面的にどうもなかった人たちは、すぐに日常の生活に追われ、安静にする余裕もありませんでした。無理をした結果、やがてそれが病気として現れたり、心の余裕を失わせて、何かのきっかけで人との付き合いにも影響を及ぼしていたりする場合があるようです。そのあたりの事情を汲み取り、心は確実に被災していることを理解し、優しく接するのは本当に大切だと最近特に感じています。
 かく言う私も一被災者ですが。

私たちのためにここにあるのかも


 うちは結構物持ちがいい方ではないかと思います。それでも熊本地震の日以来、まずは6年目の液晶テレビが転倒して壊れ(まだまだ使えたはずなのに)、20年近く使っている給湯器が故障し(現在は復旧)、10年目に突入した車も20万キロ目前で乗れなくなり(今は代車)、つい先日は二十四、五年になるガスオーブンレンジが何の前触れもなく突然動かなくなりました(でもその後なぜか復活!)。 そして、洗濯機もそろそろ限界か。これまた二十数年使っています。



 それで、某大手家電量販店に見に行くことにしました。今回は少し奮発して、ドラム式洗濯乾燥機を買うつもりで。でもこのタイプはまだ結構高いのです。



 店頭で説明を聞きながら、あるメーカーの中位機種に絞り込みました。仮にその機種をBとします。店員と交渉の末二度目に出た値段は、なかなかの好条件と思われました。ポイントが三万近く付いた価格。そして、こちらが何も言わないのに、紙に数字をすらすらと書いてくれます
 それでも、その場では即決する気はなかったので、一旦家に持ち帰って検討することになりました。家族会議の結果、ポイントを考慮すると某価格比較サイトよりかなり安いし、梅雨で洗濯物の乾かないこの時期、もうさっさとこれで決めようということになりました。



 同日後刻、買う気満々で店舗に向かいます。しかしちょっと待て。その前に別の大手家電量販店にも一応寄ってみようということになりました。

 すると、その店では、私たちが狙っていた機種Bは、考慮するに値しないほどべらぼうに高く、反対に上位機種Aが、ポイントは付きませんが、先の店で提示されたBの総額より少し高いくらいで購入できそうでした。二つの店の押しの機種が完全に入れ替わっていると思いました。一瞬迷いも生じましたが、私たちとしては、機能的にAは要らない、Bで十分。

 もうここではダメか、天を仰ぎ、何気なく後ろを振り返ってみると、通路の真ん中に置かれた洗濯機が目に飛び込んできました。なんとそれはB。先ほどまで全く気付かなかったけれど、展示用以外にBがなぜこんなところに?
 その箱には貼り紙が付いていました。なになに・・・一旦販売されたが、発注ミスのために、返品されたもの・・・。


 こ、これはいくらですか? 恐る恐る尋ねると、価格を調べてきますと言って店員は消えて行きました・・・。


 私たち夫婦は顔を見合わせました。これほどたくさんの種類があるのに、ちょうど狙っていたBが、なんでこんな通路に無造作に置いてあるの? あなたは同じ市内の系列店で一度販売され配達されたのに、そこではなくて、私たちが訪れたこの店に何故わざわざやって来たの? 「これって、もしかして、もしかして、・・・・私たちのためにここにあるのかも・・・・」と互いに言い合ったのです。何とおめでたい思考! しかも夫婦で仲良く同じことを考えていたのです。私たちにそう都合よく思わせるほどピッタリのタイミングでBが目の前に。

 

 しかし、戻ってきて提示された価格は、お話にならない価格でした。そこで私は、最初のお店でもらった紙をやおら取り出して、店員の目の前に置きました。店員の表情はその紙を取り上げると一変。真剣なまなざしで隅々まで食い入るように見、その数字を書き写し、何やらせわしなく電卓を打ち始めます。そのあとカウンターの奥へ走ります。そしてなかなか戻ってきません。


 やっと戻ってきて提示された額は、最初のお店で提示されたポイント分以上に現金値引され、リサイクル料・設置費込、長期保証付きの切りのいいポッキリ価格でした。某価格比較サイトもまったく足元に及ばないほどの価格。しかもクレジットカード使用もOK。


 即決!!!(すみません、最初の店の店員さん!)


 その洗濯乾燥機は、こちらが支払おうとしていた価格より随分安い価格で、見事我が家に来ることになったのです。


 私たちのためにそこにあった、はまんざら妄想ではなかったよう。実際こうやってうちに来ることになったんですから。


 効果的だったのは、あの最初の店でもらった一枚の紙。どうやらそこに書かれた条件、特にポイントが破格だったようです。その紙があったので、上司にも掛け合えたとのこと。この洗濯機こそ私たちにとっては「紙」、いえ「神」さまからの贈り物のようでした。


 震災後のこのうっとうしい梅雨、いくらかストレスが減りそうです。感謝。

県立農業大学校製の緑茶

 菜果楽園(さいからくえん) 熊本県立農業大学校
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 私たちは耕す文化を継承し創造します。


 きっと一生懸命、農業の勉強をしているんでしょう。


 緑茶でした。きちんと真空パックされている。
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 熊本農業高校-農業大学校と進学した卒業生がわざわざ持って来てくれました。初々しい初心者マークをつけた車を運転して。

 卒業した塾を忘れずに、時々こうやってお土産を持って来てくれるのは、本当にうれしいものです。高校時代には、自分たちで栽培したとれたての野菜をよく持って来てくれていました。

 今年、弟君も同じ高校に進学し、この前野菜を持って来てくれました。ありがたや。

 こんな交流ができるのは、この仕事の醍醐味ですね。


 この茶葉で入れた緑茶、ウマイだろうなあ。冷やしてもいいかも。

大雨のあとの河川敷-熊本地震の爪痕

 雨が止んだので、久しぶりにランニングをしました。今月に入ってまだ2回目。記録を見ると合計10キロも走っていませんでした。

 
 白川の河川敷には、樹皮のない倒木、それも相当でかいものが多数流れ着いています。20日月曜日の晩に降った記録的な豪雨のあと、上流からやって来たものだろうと思います。このような状況はあまり見たことがありません。
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 あの晩、私たちも大変でした。授業に補助で入ってくださっている先生が帰宅できなくなり、ご自宅までコペンで送ることになりました。先生を送った妻が言うには、ご自宅付近まで行った頃には、あちこちの幹線道路も冠水しており、交差点で動けなくなっている車もあったとのこと。身の危険を相当感じたようです。
 うちの周辺でも、大きな道路やそこまで出る道が冠水していたので、妻は自宅近くまでなんとか戻って来れたものの、そのあとは恐怖で帰って来られなくなりました。心配で居ても立ってもいられなくなっていた私は長靴を履いて、その救援に出動。
 救援から戻ったのが23時45分。ホッとして家に上がろうという時にちょうど何やら着信。応答すると近くに住む友人からでした。非常に恐縮しながら彼が言うには、奥様とお友達が、職場の駐車場が水に浸かって帰って来られなくなったので、申し訳ないけれども車で迎えに行ってくれないだろうかと。快諾してそのまま再び外の雨の中に飛び出しました。・・・無事任務を果たし、帰宅した時はもうとっくに日が変わっていました。気の毒なことに、奥さまのお友達の車は床上浸水でした(悲)。

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 大量の木々は、たぶん熊本地震の時に起きた土砂崩れでなぎ倒されたものが、大雨で流れてきたのでしょう。白川の水は大雨の後でかなり濁っていますが、最近の白川は地震以来いつも濁っています。それもあの立野地区の阿蘇大橋が一瞬で崩された土砂崩れのためだろうと思われます。



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 倒木のなかに、境界を示す杭?と明らかに家屋の一部と思えるものを発見。被害に遭われた方々のご苦労はいかばかりでしょう。


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 遊歩道をふさぐ倒木。


 これ以上大雨の被害が広がらないことを望んでいます。

 

コンサートツアー2016 〜 LOVE 〜

 この美人は誰だ?

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 平原綾香


 しかもこれって、コンサートのステージっぽくない?


 そうなんです。彼女のコンサートの中のあるコーナーの間だけ、動画はダメだったんですが、平原綾香さん(ファンはあーやというらしい)ご自身から許可が出て、撮影できたのです。しかもSNSなどで掲載拡散OKとまでご本人に言われて、その通りに私もしてしまっているわけです。こんな一部撮影OKのコンサートは初めてで、スマホなどみなが持っている昨今、宣伝のために逆に利用するのは賢いのではないでしょうか。

 ほんと美人ですわ。

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 6月26日(日曜)の福岡市民会館でのコンサートに行ってきました。しかもすぐ上の写真から分かるように、中央に近い前から3列目の特等席のチケット。このあたりはファンクラブ会員専用の席です。実は、福岡在住のとあるファンクラブ会員氏から一緒にどう?とお誘いをいただき、初めて私たち夫婦の分もとってもらったのです。彼女のコンサート、いつかは行ってみたいと思っており、今回初参加となったわけです。

 本当は前日土曜日に熊本でコンサートがある予定でした。でも、地震で会場が使用不能になり中止になったようです。彼女はコンサートのあいだ中何度も熊本地震のことに触れていました。

 聴衆の年齢層は、もちろん若い人もいらっしゃいますが、全体的には結構高めかもしれません。それでも座ってじっと耳を傾けるばかりではなく、立ち上がって踊ったり掛け声をかけたりする歌もあり、福岡はなかなか乗りが良かったようです。彼女のボイスパーカッションを目の前で聴くこともできました。アンコール3曲を含む2時間20分ほどのコンサート全体をとても楽しむことができました。

 事前にファンクラブ会員氏から渡されていた音源を使っての“予習”は不十分でしたが、知っている曲、例えばNHK朝ドラのメインテーマ「おひさま~大切なあなたへ」や、その次の「ダーウィンが来た」で使われている「スマイルスマイル」を生で聞けたのは良かったです。特に「おひさま」は、これコンサートで聞けたらいいねと事前に夫婦で話していた曲で、たくさん曲がある中、どんピシャリで今回出てきました。

 ただ欲を言えば、個人的には彼女の澄んだ美声を堪能したかったのですが、その機会が少なかったかなと思います。今回はバンドスタイルのコンサート。バンドスタイルは歌以外の音が大きくて、コンサート慣れしていない私の耳が慣れるのに時間がかかりました。数メートル前で歌っている彼女の声が、前方からではなく右の方のスピーカーからバンドの音と混ざって大音響で聞こえてきたことに、最初かい離感を感じて、純粋にのめり込めませんでした。会場の音響特性のせいでもあるのでしょうか? そんな気持ちがあったので、知らない曲のときには、ベースやドラムが目の前奥だったこともあり、どちらかというと歌より大きい音に聞こえた彼らの技巧的な演奏に関心が向いてしまい、ドラムやれたらかっこいいなと思ったり・・・。特等席に座っているのに、こんな違った聴き方をしているのは怒られそうですね。

 それでも彼女は時折ステージ上で私の座っている目の前まで来てくれて、何かドキドキ。あのテレビでしか見られない美人で美声の歌手が、間近にすぐ目の前にいるんですから。



 そんななかで、コンサートに来た甲斐があったなと思わせられたのが、感涙ものの二曲。

 一つはあの「優しい時間」というドラマのテーマ曲「明日」。ステージ中央の階段に座って、ギター伴奏で歌う彼女の声とその仕草は情感にあふれ、歌詞にぴったりで、私の心の琴線に大いに触れました。自分にとっての今回の一番。あとでCD版を改めて聞いたのですが、若さを感じてしまい、コンサートの方が人間的にもより深まって歌っていると感じました。

 もうひとつは、アンコールで歌われた「わせねでや」(忘れないでね、という意味)という曲。東北の震災に関連した歌ということも、加藤登紀子さんが歌っているということもまったく知りませんでした。心を揺さぶるピアノ伴奏が曲を盛り上げ、比較的シンプルな旋律でありながら、彼女独特の美声に乗って届く歌詞が、ビンビン心に響いてきました。熊本の震災もあったためか、涙が出そうに。

 やはり多才な彼女の歌声はすばらしい!自分としては彼女の声の魅力がストレートに届く曲構成をもっと望みますが、とても楽しめました。10月にあるアコースティック版もおもしろそう。