初めての九州国立博物館

 九州国立博物館なるところに初めて行ってきました。福岡県内の親戚も同じ県内にあるのに行ったことがないといいます。

 事前情報なしに初めて目にした建物。ひとことで言うと、デカい。さすが国立。
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 当然、中も広い。
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 「大英博物館展 100のモノが語る世界の歴史」、これがずっと見たかった!
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 会期の残りが少ない9月1日、やっと時間をつくることができました。月も改まり学生は少ないだろうから、ゆったり見られるだろうと思っていましたが、甘かった。予想に反して人が多かった。平日でもあり、年配者が圧倒的に多い。
 また、入ってしばらくは、展示物と観覧者を隔てるガラス沿いには列ができており、その列に並んで展示物の前まで近づくのを辛抱強く待っている人が大勢いました。確かに列に並べば最も間近で見ることができます。実に律儀です。私はといえば人の頭と頭の隙間からどんどん見て回ります。100もあるのです。しかし、中に進むにつれガラスの前の列はもっと緩やかになり、そのうち列自体がなくなり、みな自由な雰囲気で観覧していました。

 自分が撮った写真はここまで。なぜなら館内は撮影禁止だからです。これからの画像は「九州国立博物館」から提供されたもの。
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 全体的に館内は暗い。展示物保護のためでしょう。仕方のないことですが、最近加齢によって視力の衰えを感じている自分の目にはちと辛く感じました。



【魅かれた展示物】

009 古代エジプトの化粧パレット(カメ)

残念ながら画像なし。シルト岩。縦21.3cm 横18.7cm 厚さ1.2cm。当時のナイル川流域に生息していた生物を表したもの。発見場所が墓所なので、エジプト人の考えでは来世でも化粧が重要だったのだろう。

ちなみにこのカメの形はどうみてもスッポンだった。最大1メートルにもなる種「ナイルスッポン」かもしれない。


013 ウルのスタンダード

ウルといえば、メソポタミアにあった、聖書に出てくるアブラハムが生まれたであろう裕福な都市。

その「平和」面。
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「戦争」面。
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横にも絵があったが、大きな二面に気をとられ、じっくり見なかった。
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014 楔形文字を刻んだ粘土板
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労働者に支払うべきビールの配給量が記されている。ビールが給料?容器の形で表されているのがビール。
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015 メソポタミアの大洪水伝説を語る粘土板
画像なし。ノアの洪水と似た記述のある「ギルガメシュ叙事詩」の一節が記されている。


020 金製の半月型装飾
画像なし。アイルランドで発見されたもの。表面の模様が精巧。熟練した金細工人の仕事にあっぱれを。


023 アッシリアの戦士のレリーフ
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古代ニネヴェ、センナケリブ王の宮殿から発見されたもの。残忍さで有名なアッシリア兵たち。残忍さを強調することによって、領土を広げる先にいた人々に恐怖を植え込んだのだろう。


026 アレクサンドロス大王を表した硬貨
画像なし。エジプトからインドにまたがる地域を征服した王。鋳造されたのは大王の死から40年後。大王死後に覇権を争った将軍の一人リシュマコスが、偉大な大王の威光を借りて、自らの権力掌握を正当化するために作らせた。


027 ロゼッタ・ストーン(レプリカ)
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あまりにも有名な遺物。古代エジプトの象形文字(ヒエログリフ)を解読するきっかけになった。3種類の異なる言語(象形文字、デモティック、古代ギリシャ語)で書かれており、学者たちが読める古代ギリシャ語部分に、三つの銘文が同じ内容であると記されていたことから、象形文字の解読が可能になった。アレクサンドロス大王の将軍のひとりプトレマイオスによって興された王朝の、後代の王プトレマイオス5世が、みずからがエジプト文化の正当な継承者であることを民に示すために彫らせた。


036 アラビアの手形奉納品
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青銅製。本物の手から鋳型を取ったと思われる。小指を見て欲しい。骨折したと思われる形跡が残っている。1700~1900年前に実際に生きていた人の手形がここに残っている。


068 ヘブライ語が書かれたアストロラーベ
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アストロラーベなるものを筆者は知らなかった。14世紀のもので、当時の最先端技術。これさえあれば、昼夜とも時刻がわかり、日の出と日の入りの時刻も知ることができた。天体の動きを再現して星図の役割も果たし、測量と占星術にも使えた。一度に表示できるのは特定の緯度だけで、様々な場所で使えるよう取り換え可能なプレートが付いている。これには5枚のプレートが付属しているらしい。

ここには、実際に使ってみようのコーナーがあったが、結構難しそうだった。時間の関係で遊べなかった。

このレプリカまたはアストロラーベ福岡版(せめて首都東京版)とか販売されていたら、少々高価でも絶対に買っていたと思う。金属製ならなお良い。(追記:博物館のサイトから福岡版がダウンロードできることが判明) 同行者たちもこれに一番反応していた。これを描いたトートバッグが売店で販売されていた。同行者たちはそのデザインを絶賛していたが、値段(2,400円)に購入を躊躇していた。しかし、そのひとりである我が妻は、今になってあのとき買っておけばよかったと後悔している。

アストロラーベ(福岡版)を作ってみよう
アストロラーベの使い方1
アストロラーベの使い方2

【ここから表情編】
昔の遺物の表情がとても興味深かった。

052 モチェ文化の壺(ペルー)
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この中に“荒井注”がいると思った(世代がばれてしまう)。

064 イフェの頭像(ナイジェリア)
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これはスゴイ! アフリカにこのような文化があったということに(@_@;)。その緻密さ、存在感に圧倒された。

062 ルイス島のチェス駒(イギリス)
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ちょっととぼけたような表情が魅力的。


039 ガンダーラの仏像(パキスタン)
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ガンダーラといえば私たちの世代ではゴダイゴ。異国情緒を感じさせる曲だったが、仏像の顔立ちも、日本の仏像とは随分違う。ほりが深くて鼻が高い。


090 バカラの水差し(フランス)
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ヒトではないがその表情に見入ってしまったモノ。全体の姿も見事だが注ぎ口の彫刻、その曲がり具合の繊細さに目を奪われた。まさに超絶技巧。鳥かと思ったら、想像上の海獣らしい。



 いやはや初めての九州国立博物館、大いに楽しめました。この手のものにあまり関心のない同行者は、1時間もあれば見終わるだろうと高をくくっていましたが、なんのなんの、みな十分楽しめました。

 これ以外に常設展示もありますが、こちらは時間がなくてじっくり見ることができませんでした。「国宝」と銘打ったものがゴロゴロ、普通に誰もが見られるようにして展示してありました。さすが国立。一級品ばかり。好きな人にとっては時間を十分とって見に行く必要があります。

 出直してこよう。



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