夏の色

 毎日厳しい暑さが続きます。今年の子どもたちの夏休みは、熊本地震の影響で8月24日まで。残り2週間ちょいになってしまいました。

 今年も夏期講習で作文の時間が始まりました。

 次の二首の歌のうちどちらかを選び、その情景を簡単にまとめ、自分の感覚を通して同じように季節の移り変わりを感じた経験を、二段落構成で百六十字以内で書きなさい。

 ① 春過ぎて夏来るらししろたへの衣干したり天の香久山    持統天皇
 ② 街をゆき子どもの傍を通る時蜜柑の香せり冬がまた来る   木下利玄


 作者が街を歩いているとき、子どもの傍を通り蜜柑の香りがしたので、冬が来たなという気持ちが表されています。
 朝起きて、何も変わらない一日が始まり、ふと外に出て、きんもくせいの香りがしたときに、季節の移り変わりを感じました。その香りが日がたつにつれて強くなると、もう夏の色はなくなったなと思います。



 中学3年生が「夏の色」って言葉を使ったのが、とても意外で引き込まれてしまいました。本人曰く、書いてるときにふっと湧き出てきた言葉らしいです。久しぶりに感心した作文でした。


 あなたにとって「夏の色」ってどんな色でしょうか?


 その作文を生徒たちの前で読み上げたら、このように書いてきた生徒がいた。

 この筆者は冬の訪れを街で子どもの傍を通るときの蜜柑の香りで表現している。
 いつもと変わりない秋の日。学校が終わり、正門の前でふとグラウンドのほうを見ると銀杏の木から差し込む夕日がまぶしかった。その木のほうから吹いてくる秋の風にのせられて銀杏の秋らしい香りがした。その香りに夏の色はもうなかった。



 ハイ、「夏の色」です。一度耳から聞いただけでこれを書くとは、記憶力がかなり良い生徒です。でも他の生徒から、正門からグラウンドは見えないぞ、夕日も方角もおかしいぞと突っ込まれていました。完全なウソ作文。

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