熊響ありがとう!

 熊本地震による被害で休館していた熊本県立劇場、再開しています。
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 熊本交響楽団の第102回定期演奏会が行われたので聴きに行きました。手ごろな価格でクラシックを楽しめる素晴らしい機会です。
 なおその前の第101回定演もチケットを購入していましたが、熊本地震で県劇が使えなくなり、幻の演奏会になりました。


 今回の曲目は次の通り。

● 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」(ワーグナー)より、
    第3幕への前奏曲~徒弟達の踊り~マイスタージンガーの行進

● アランフェス協奏曲(ロドリーゴ)

● 交響曲第1番(ウォルトン)

指揮:後藤龍伸    ギター独奏:福田進一



 久々の生のクラシック音楽。心に染みわたりました。演奏中感動でゾクゾクする感覚を味わい、涙が出そうになりました。この感覚は久しぶりに感じるもので、今までいかにこの手の刺激が欠乏していたのかというのが分かりました。ほんと長らく忘れていた、眠っていた感覚を思い出しました。

 劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」は第一幕への前奏曲をよく耳にしますが、今回は第三幕への前奏曲から。この部分、実は初めて聴きました。あの有名なフレーズが、途中楽器で受け継がれていたのにやっと気づきました。最後は全楽器による強奏で有名フレーズが登場。生で聴くことにより、より一層体を走るゾクゾク感を味わいました。今回はクラシックコンサートは初めてという先生のお一人と聴きに行ったのですが、似た感覚を味わっていたよう。この曲は高揚感、やるぞという感情を高めるのにいいですね。第一幕への前奏曲、マラソンの前に聴こうかな。

 ランフェス協奏曲も生で聴くのは初めて。最初ギターの音量がオーケストラの音量に負ける感を感じましたが、高速の手さばきと美しく力のあるギターの音色にいつしか引き込まれました。第二楽章では情熱的でありながら哀愁に満ちた有名メロディーに、感動のあまり涙が出そうになりました。これは生で聴けて良かったと実感。これまでCDで聴いていた曲は一体何だったのか。
 ※アンコールでギター独奏がありましたが、曲名は不明。

 ォルトンの交響曲第1番、正直まったく知らず、予習するひまもなしで向き合いました。ティンパニが大活躍し、金管がよく鳴っている曲という印象。楽章の最終部分で短い休止が何度か入るのは新鮮でした。
 作曲家は第四楽章がなかなか作れず、初演は第三楽章までだったと資料で読みました。第ニ楽章までは、現代音楽によくありがちな聴き慣れない和音が出てきて、金管による音量は大きめで華々しいけれど全体的に暗い感じ。その後の穏やかな中にも陰鬱度が増す第三楽章で終わっていたら、私には耐えられなかったでしょう。それとは対照的に、第四楽章は非常に整ったように聴こえる音楽で、これで救われた感じがしました。
 隣に座っていた見知らぬ男性は、第三楽章と第四楽章の前半のあたりで、徐々に真っ直ぐ座っていることも不能に。こちらにもたれ掛かるなよと思いながら、曲を聴いていました。でも、まあ、わかる気もします。
 ティンパニの女性奏者の方が出す、マレット(ばち)が折れるのではないかと思うような迫力ある音が非常に印象的でした。そのほかのドラやシンバル、もう一台のティンパニはいつ出番が来るのだろうかとかなり気になっていましたが、第四楽章で大いに活躍する場があり、安堵しました。
 指揮者も演奏者も、楽章間で流れる汗を拭わねばならないほど、とても力の要る曲だとわかりました。そんなものすごい曲を生で聴けて、オーケストラに感謝です。ただ、他の曲は印象に残るフレーズがあるのに、この曲に関しては皆無。聴き込みが足りないようです。


 ンコールは、チャイコフスキーの「アンダンテカンタービレ」。私はなぜか「えいこーらー」の歌だと思いました(笑)。
 この曲、弦楽器以外はすべてお休み。弦楽四重奏ですから。でも、ウォルトンの交響曲の後なので分かる気がします。
 しっとりと演奏され、前の交響曲から引き継いでいた高温の熱気がこれでかなり冷まされて、やっと心落ち着いて帰ることができると思いました。一服の清涼剤。

 熊響ありがとう! めざめました!

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